全身脱毛症とは?その原因や治療方法を解説

全身脱毛症とは?その原因や治療方法を解説

全身脱毛症とは頭部の毛髪だけでなく、眉毛をはじめ身体全体の毛が抜けてしまう脱毛症です。

最初は小さな頭部の脱毛からはじまることが多い症状です。

そのため、あまり気にしないで過ごしているうちに脱毛箇所や脱毛量が急激に増えて進行します。

脱毛箇所が全身の脱毛まで進行してくると、精神的な苦痛も大きいのは言うまでもありません。

そこでここでは全身脱毛症になった際のショックをやわらげ、少しでも早く治療をはじめる意識を持つために、その原因から治療方法などを詳細に解説します。

全身脱毛症とは?

全身脱毛症とは汎発性脱毛症とも呼ばれる脱毛症の1つです。

円形脱毛症がもっとも重度に進行した症状ともいわれます。

突然頭部に毛が抜けた部分(脱毛斑)が発現して、その脱毛斑が頭部全体からやがて全身へと拡がります。

原因を特定できない事も多いため治療効果が薄く、完治せず脱毛と発毛を繰り返す人もいます。

全身脱毛症は脱毛症の中でも珍しい症状のため、調べても患者さんの体験談や治療効果などの情報も多くはありません。

全身脱毛症の情報が少ないことで、発症してもなかなか気づくことができず治療が遅れてしまうのです。また特に女性の場合はショックが大きすぎてパニックになる可能性もあります。

全身脱毛症を発症した人の経験談

ここからは全身脱毛症を発症した人の経験についてご紹介します。

頭髪からはじまり全身の毛が抜けて落ちていくことは人生を揺るがすほどの衝撃です。

以下は全身脱毛症を発症した患者さんの経験談を集めた一例です。

  • 朝起きたときの枕やお風呂場で洗髪したあとの排水溝に普通ではない量の抜け毛がある
  • 人と会うのが苦痛になる
  • 鏡で自分の姿を見ないようになる
  • 必要以外の外出をしなくなる
  • 婚約相手に自分の病気を打ち明けられない

精神的にも非常につらい思いをする全身脱毛症ですが、命に関わるものではないという観点から難病指定はされていません。

そのため周囲の理解も遅れています。

また精神的なダメージだけでなく、全身の毛が無くなることから風邪をひきやすくなったり、肉体的にも負担のある病気です。

全身脱毛症の原因

全身脱毛症の原因

ここからは全身脱毛症の原因について解説します。

全身脱毛症は自己免疫疾患という原因がもっとも有力な説となっていますが、ほかにもさまざまな原因が提唱され、はっきりと結論が出ていません。

それがこの脱毛症の治療を難しくしている部分でもありますが、原因を知ることは治療の道筋をつける第一歩です。

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは、外部から侵入する異物を攻撃することで身体を守る免疫細胞が、間違って正常な細胞を攻撃する病気です。

全身脱毛症は、白血球の1つで病原体を攻撃する役割を持つ「Tリンパ球」が元気な髪の毛の毛根を異物と認識して攻撃してしまうことで、脱毛してしまいます。

また、自己免疫疾患の特徴として女性が圧倒的に多いという調査報告があります。

日本でも女性の患者数は男性の約2~10倍とされます。

一説には自分の中で成長する胎児を受け入れる女性の身体の構造が関係しているといわれます。

その他の原因

全身脱毛症は、円形脱毛症の最も重篤な症状です。

円形脱毛症として見ると他にも以下のような原因があります。

  • アトピー性疾患を発症、もしくはその素因を持っている
  • 精神的なストレスがかかり続けている
  • 遺伝
  • 出産

まずアトピー性素因とは、アトピーを発症する人が家族にいたり、アトピー性の疾患にかかったことがある人のことです。

ストレスは円形脱毛症以外のAGA、FAGAなど脱毛症でも原因となるものです。

長期的なストレスや精神的な苦痛は交感神経の働きを悪化させます。すると血管を収縮させてしまうため、毛根への栄養が届きにくくなり脱毛します。

さらに、ストレスを受けることが自己免疫疾患の引き金となるともいわれます。

遺伝的要素は円形脱毛症患者の血縁が近いほど発症率が上がるというデータが報告されており、一親等の発症率は二親等のおよそ10倍ともいわれます。

最後に出産ですが、産後脱毛症という脱毛症もあるように、女性は出産のために妊娠中女性ホルモンを体内にため込みます。

その数値は通常の100倍ともいわれ、女性ホルモンが増加すると、毛髪の成長期が伸びて髪が抜けにくくなります。

しかし出産すると女性ホルモンが急激に減少し、毛髪の成長期は一気に抜けやすい段階に進むため、大量に脱毛します。

これが産後脱毛症の場合は出産後1年ほどで元の状態に戻りますが、同時に円形脱毛症を発症する場合もあります。

円形脱毛症について

産後脱毛症について

全身脱毛症の症状

全身脱毛症は、最初は小さな脱毛からはじまる傾向にあります。

そこで、初期段階から順を追って脱毛の起こり方を紹介していきます。

事前に症状を知っておくことで、必要以上のストレスを感じないようメンタルをコントロールすることも、脱毛の進行を早めないためには重要です。

初期段階

円形脱毛症の場合ほとんどはストレスからくるため、1年ほどで完治する人がかなり多いことから、治療に行く人が少ないです。

【全身脱毛症の初期段階】

  • 500円玉くらいの範囲が脱毛し薄くなった気がする
  • 小さな範囲だが完全に脱毛した部分ができる

この段階で全身脱毛症と判断するのが難しいのは当然です。

円形脱毛症の場合は、爪にも小さな凸凹ができるといった症状があらわれることもあります。

脱毛箇所が拡がってくる

全身脱毛症が進行した次の段階では、以下のようなことが起こりはじめます。

  • 起床時に枕につく髪の毛が目立つようになる(数本程度)
  • 脱毛部付近の毛髪を引っ張るとほぼ抵抗なく抜ける
  • 脱毛部が増える

脱毛の症状が進行してくると、精神的な苦痛や不安といったストレスも格段に上昇します。

また、抜け落ちた髪の状態も通常はもっとも太くなっている毛根が細く尖っているという違いが出てきます。

更に症状が進行すると

脱毛症状が更に進行してくると以下のような変化が起きます。

  • 髪の毛を手ぐしでとかす程度で大量の毛髪が抜ける
  • 頭髪以外の身体のあらゆる部分の毛が抜ける

表面に出ている毛だけではなく、鼻毛なども抜けるため、鼻水を抑えることができなくなったり、さまざまな問題も出てきます。

症状に関してはまつ毛だけは抜けないなど、脱毛部には個人差もあります。

またここから回復に向かう人、ある程度の回復後また脱毛を繰り返す人など、発症した人によって違いもあります。

回復してきている場合には以下のような特徴があります。

  • 脱毛部から細いながらも発毛が見られ、引っ張っても抜けにくい
  • 脱毛部の毛穴が目立つようになる

全身脱毛症の治療方法

全身脱毛症の治療に関しては、さまざまな方法があります。

ただし治療方法がはっきりしていないため、どんな治療を行っても脱毛が進行してしまうという患者さんがいるのも事実です。

それでも、治療の選択肢を拡げて試すことは回復するために必要な行為であるのは間違いありません。

冷却治療

毛根を攻撃してしまう免疫細胞の働きを抑えるために頭皮を冷却する治療です。

ドライアイスやマイナス200℃ほどの液体窒素を使用するため、冷やす際多少の痛みがあります。

冷却するだけの方法のため、副作用はほぼ心配ないのがメリットです。

紫外線、赤外線治療

紫外線を照射する治療はアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などでも行う治療です。

数か月以上長期的に行います。

赤外線を照射するスーパーライザー療法という治療法もあります。

こちらは光の波長が体内にも到達するという特徴から、自律神経に直接照射して全身の血行を改善させるといった効果を発揮します。

ステロイド治療

ステロイド治療は重症患者の改善例も報告される強力な治療法です。

注射でステロイドを注入する方法があります。

更に重症なら、3日ほどの短期間に点滴で大量のステロイドを投与する点滴静注ステロイドパルス療法がより高い効果をもたらします。

ただし、発症後6か月を超えた患者への投与はあまり高い効果がみられないことと、成長障害が起こるため子供は使用できないという制限があります。

ステロイドの短期間投与は身体への負担も大きいので、頭痛、微熱、だるさ、不眠などの副作用が出ることもあります。

局所免疫療法

局所免疫療法は広範囲の脱毛患者や子供にも使用できる治療方法で、約9割に発毛効果があるとされています。

その方法は脱毛部に薬剤を使って人工的にかぶれた状態をつくることで発毛を促すというやり方です。

有効性の高い治療方法ですが、治療期間は半年から1年とかなり長期の治療が必要です。

そしてかぶれをおこすこと以外に、じんましんやリンパ節が腫れるなどの副作用があります。

内服薬治療

内服薬治療

内服薬による治療は他の脱毛症でもよく行われる治療の主流です。

通常の薄毛治療薬だけではなく、それぞれの患者さんの状態にあわせ、さまざまな治療薬が使われます。

代表的な治療薬は以下のようなものです。

  • グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合薬
  • セファランチン
  • 抗アレルギー薬
  • ステロイド内服薬

グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合薬は単発型や多発型の円形脱毛症で服用する内服薬で、アレルギーを抑える働きを持っています。

セファランチンも同じくアレルギーを抑えるほか、血流改善効果ももっています。

アレルギー症状の緩和が脱毛の改善に繋がるということから、抗アレルギー薬(第2世代抗ヒスタミン薬)も服用することがあります。

ステロイド療法も有効なため、ステロイド内服薬も有効ですが子どもは服用厳禁です。

外用薬治療

脱毛症の治療は頭皮に直接塗る外用薬もよく使われます。

円形脱毛症の症状改善に使われるのが以下の外用薬です。

  • 薄毛治療薬(ミノキシジル)
  • 育毛薬(塩化カルプロニウム外用【フロジン液】)
  • ステロイド外用薬

ミノキシジルは男性型・女性型の脱毛症治療薬です。

男性型および女性型の脱毛症診療ガイドラインの2017年版で「ミノキシジルの外用は有用か?」といガイドラインで最高推奨度であるAを獲得しています。

ただし全身の脱毛に使用して脱毛範囲を縮小させるというわけではありません。

血管拡張による発毛効果から、頭皮の脱毛部に塗るような使い方をします。

塩化カルプロニウム外用【フロジン液】も育毛成分の1つで、国内だけでも数多くの発毛実績を持つ医薬品です。

ステロイド療法は外用薬でも行い、塗って患部の免疫機能を抑えます。

ウィッグを使用する

全身脱毛症の治療は長期にわたります。

治療中、人から脱毛部をじろじろ見られたり、鏡で自分の症状を見ることすらも苦痛となると訴える患者さんが多くいます。

こうしたストレスは、脱毛症状を進行させることはあっても改善させることはありません。

そこで治療中に必要となるのがウィッグです。

ウィッグ(かつら)にはファッションとして使うもののほかに医療用ウィッグが存在します。

医療用ウィッグは脱毛症だけではなく、がんなどでも治療中肌が敏感になるため、身につける肌により優しい素材となっています。

また、治療でも毛量変化に対応するサイズ調整できる工夫などがほどこされた医療用ウィッグもあります。

ただファッションで身につけるウィッグと違い、頭髪がほぼ全て脱毛してしまうと、もみあげもないため、ウィッグを身につけ自然に見せるのは難しいといった意見も聞かれます。

ウィッグの価格については、素材に関して人工毛のものから人毛も加えた本格的な医療用ウィッグで違います。

また、フルオーダーでの製作か市販品かでもかなり価格には差が出ます。

一般的には数万円~10万円ほどもものが多く、高級品になると数十万~100万円のものもあります。

更に、ウィッグは消耗品であり、耐用年数は数年ほどなのが一般的です。

効果が確認されていない治療法

命に関わらないとされる全身脱毛症ですが、女性の場合、髪を失うショックは非常に深刻で、どんな治療法にもすがりたくなるものです。

しかし実行することで悪化する可能性があったり、治療の根拠が全くない治療法もたびたび行われており、間違った治療法を利用するのは危険です。

一部で行われている安全性や治療効果などの根拠がない治療法が下記になります。

  • 免疫力を抑える治療薬(シクロスポリンA)の服用
  • 催眠療法
  • 精神安定剤の服用
  • アンスラリンの外用
  • ブロック注射による脱毛範囲を縮小する治療
  • 漢方療法の中で円形脱毛症改善の報告があるものを服用
  • 鍼灸治療
  • 分子標的治療

シクロスポリンAの服用は紫外線療法との併用で皮膚がんのリスクが高まります。

アンスラリンの外用は発がんの可能性があります。

ブロック注射は星状神経節に麻酔薬を注射することで脱毛範囲が縮小すると報告がある一方、治療の難易度も高く、肺を損傷するリスクもあります。

分子標的治療は自己免疫疾患で行う治療なので全身脱毛症にも関係がありそうに思いますが、発毛効果はないとされます。

鍼灸や漢方、催眠療法、精神安定剤の服用も発毛の科学的根拠はありません。

全身脱毛症になったらどのクリニックに行けばいい?

全身脱毛症はさまざまな原因から起こるものであることと、治療も方法もたくさんあることから、皮膚科や円形脱毛症の専門医がいる総合病院で見てもらう必要があります。

治療効果がなかなか出なかったり、治療をはじめてからでも想像以上の脱毛が起こったりすることから、普通の生活をしていけるのかと悩みふさぎ込む人もいます。

しかし、こうしたストレスそのものが脱毛症には大きなマイナス要因となり、更なる脱毛を起こしたり、発毛を妨げます。

ですから治療効果が出ることを疑わず、悩みを相談する意味でも医療機関を受診する価値は大きいといえます。

また脱毛範囲が大きいとしても、それが円形脱毛症や全身脱毛症であるかは自分では判断できません。

そのため通常の脱毛症であれば、薄毛治療クリニックでの治療で十分に改善される可能性があります。

そこで、まずは薄毛治療クリニックを訪問するというのも1つの方法です。

一般皮膚科や総合病院と違い、薄毛治療クリニックには無料カウンセリングを行っている所がたくさんあります。

専門のカウンセラーが悩みを聞いてくれたり、症状から治療プランを提示してくれるために行われているもので、契約しない限り料金は発生しません。

このシステムを利用して、まずはご自身の症状を確認し、その上で別な治療手段を必要とすることが分かればセカンドオピニオンでクリニックを変えて治療をするという方法もあります。

何より大事なことは、初期症状の段階で「そのうち治る」と思わないで、すぐに医療機関を受診するということです。

治療が早いほど有効な治療方法の選択肢が増えるのは間違いない事実だということを忘れないでください。

この記事を書いた人 みっちゃん

産後脱毛を経験してから薄毛に敏感になった一児のママ。若い頃よりもボリュームが減ってるため生活習慣から栄養までこだわるようになった。

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